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2節 アルミニウム製建具/5章 建具改修工事/平成31年版 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)

5.2.1 一般事項

この節は、建具の製造所が通常製作している既製のアルミニウム押出形材及びその他の材料を用いて製作するアルミニウム製建具に適用する。

5.2.2 性能及び構造

(1) 建具の性能及び構造は、ドアセットの場合はJIS A 4702 (ドアセット) 、サッシの場合はJISA 4706 (サッシ) による。

(2) アルミニウム製建具の性能値等

(ア) 耐風圧性、気密性及び水密性の等級並びに枠の見込み寸法は、特記による。
特記がなければ、外部に面する建具の場合は、表5.2.1 により、種別は特記による。

表 5.2.1 外部に面するアルミニウム製建具の性能等級等

(イ) 防音ドア、防音サッシとする場合の遮音性の等級は、特記による。

(ウ) 断熱ドア、断熱サッシとする場合の断熱性の等級は、特記による。

(エ) 耐震ドアとする場合の面内変形追随性の等級は、特記による。

5.2.3 材料

(1) アルミニウム材

(ア) 押出形材は、JIS H 4100 (アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材) による。

(イ) 板材は、JIS H 4000 (アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条) による。

(2) ステンレス鋼板は、5.6.3(1)による。

(3) 補強材、力骨、アンカー等は、鋼製又はアルミニウム合金製とする。
鋼製のものは、亜鉛めっき等の接触腐食の防止措置を講ずる。

(4) 気密材及び擦れ合う部分、振れ止め、戸当りの類は、耐久性を有し使用箇所に適したものとする。

(5) 網戸等は、次による。

(ア) 網戸の枠は、(1)(ア)による。

(イ) 防虫網は、合成樹脂製、ガラス繊維入り合成樹脂製又はステンレス (SUS316) 製とし、材質、線径及び網目は特記による。
特記がなければ、合成樹脂製とし、合成樹脂の線径は 0.25mm以上、網目は16~18メッシュとする。

(ウ) 防鳥網は、ステンレス (SUS304) 線材、線径は1.5mm、網目寸法は15mm とし、適用は特記による。

(6) アルミニウムに接する小ねじ等の材質は、ステンレス製とする。

(7) 建具用金物は、7節による。

(8) 枠の周囲に充填するモルタルは、表6.15.2[調合 (容積比) 及び塗厚の標準]による。

(9) 雨掛り部分の建具枠回りに使用するシーリング材は、3章7節[シーリング]による。

(10) (1)から(9)まで以外は、建具の製造所の仕様による。

5.2.4 形状及び仕上げ

(1) 枠、かまち等に用いるアルミニウム板の厚さは、1.5mm以上とする。

(2) 建具の枠の見込み寸法は、特記による。
特記がなければ、外部に面する建具は、表5.2.1による。

(3) 構造は、次による。

(ア) 枠見込み 70mmの建具に用いる引違い及び片引きの障子は、ガラスのはめ込みにグレイジングチャンネルが使用できる構造とする。

(イ) 外部に面する引違い窓及び片引き窓は、容易に網戸が取り付けられる構造とする。

(ウ) 外部に面する建具のガラス溝の寸法、形状等は、5.13.3による。
なお、屋内に使用する建具のガラス溝は、建具の製造所の仕様による。

(4) アルミニウムの表面処理は、表5.2.2 により、種別、標準色・特注色の別等は特記による。
なお、溶接する箇所は、原則として、溶接後に表面処理を行う。

(5) 種別が表 5.2.2 のAB-1種、AB-2種、AC-1種又はAC-2種の場合は、表面処理後に次の措置を講ずる。

(ア) アルカリ性材料と接する箇所は、耐アルカリ性の塗料を塗り付ける。

(イ) シーリング被着面は、水和封孔処理による表面生成物を取り除く。

(6) ステンレス製くつずりを使用する場合の厚さは、表5.4.2により、仕上げは、5.4.4(5)による。

(7) 製品の寸法許容差及び相対する辺寸法の差は、JIS A 4702 又はJIS A 4706による。

(8) 結露水の処理方法は、特記による。

表 5.2.2 表面処理の種別

5.2.5 工法

(1) 加工及び組立は、次による。

(ア) 枠、くつずり、水切り板等のアンカーは、建具に適したものとし、両端から逃げた位置から、間隔 500mm以下に取り付ける。

(イ) 雨水浸入のおそれのある接合部には、その箇所に適したシーリング材又は止水材を用いて止水処理を行う。

(ウ) 水切り板、ぜん板等は、特記による。

(エ) 水切り板と下枠との取合いには、建具枠回りと同一のシーリング材を用いる。

(オ) 枠及び戸の付属部品の取り付く箇所には、必要な補強を行う。

(2) 取付けは、次による。

(ア) かぶせ工法の場合は、次による。

(a) 既存枠は、新規に取り付けた建具に対して十分な耐力があること。十分な耐力が期待できない場合は、補強板、あと施工アンカー等の併用について監督職員と協議する。

(b) 既存枠の錆及び塗料の浮き部などは、ワイヤブラシなどで清掃し、表 7.3.2[亜鉛めっき鋼面錆止め塗料の種別]のA種の塗料を1回塗りする。

(c) 既存枠へ新規に建具を取り付ける場合は、原則として、小ねじ留めとし、留め付けは、端部は100mm以下、中間の留め付け間隔は400mm以下とする。
やむを得ず、溶接留めとする場合は、監督職員と協議し、溶接スラグを取り除き、溶接部分には、表7.3.2のA種の塗料を1回塗りする。

(d) 既存枠と新規枠内に水が溜まらないように措置を講ずる。

(イ) 撤去工法及び新規に設ける場合は次による。

(a) 可能な限り、内外装を傷めないように既存建具を撤去する。

(b)コンクリート系下地へ新規に建具を取り付ける場合は、次による。

① 構造体コンクリートにあと施工アンカーを固定する。

② くさびかい等により仮留め後、サッシアンカーをコンクリートに固定されたあと施工アンカーに溶接又はサッシアンカーをコンクリートに固定された下地金物にねじ等で留め付ける。

③ くさび等を撤去し、躯体と枠との間には、モルタルを充填し、必要に応じて、補強等を行う。
ただし、屋内で、水掛り部分以外の場合は、くさびを残したままモルタルを充填することができる。

④ くつずり、下枠等のモルタル充填の困難な箇所は、あらかじめ裏面に鉄線等を取り付けておき、モルタル詰めを行った後に取り付ける。

(c) 鉄骨下地へ新規に建具を取り付ける場合は、建具枠の四周において、鉄骨下地との間にくさび、平板等をはさみ込んで仮固定後、溶接、小ねじ留め等とする。
なお、溶接箇所は、表 7.3.2[亜鉛めっき鋼面錆止め塗料の種別]のA種の錆止め塗料を塗り付ける。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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