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2節 材料/8章 耐震改修工事/平成31年版 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)

8.2.1 鉄筋

鉄筋は表8.2.1により、鉄筋の種類等は、特記による。

表 8.2.1 鉄筋の種類等

8.2.2 溶接金網

溶接金網はJIS G 3551(溶接金網及び鉄筋格子)による。
鉄線の形状、網目寸法及び鉄線の径は、特記による。

8.2.3 鉄筋の材料試験

鉄筋の品質を試験により証明する場合の試験の方法等は、適用するJIS又は建築基準法に基づき定められた方法により、それぞれ指定された材料に相応したものとする。

8.2.4 あと施工アンカー

(1) あと施工アンカーは、金属系アンカー及び接着系アンカーとし、適用は特記による。

(2) 金属系アンカーの仕様は、次による。

(ア) 引張耐力及びせん断耐力は、特記による。

(イ) アンカー本体の径及び埋込み長さは、特記による。

(ウ) アンカー本体のねじの公差域クラスは、JIS B 0209-1(一般用メートルねじ-公差-第1部:原則及び基礎データ)の「12.推奨する公差域クラス」により、おねじの場合は、8g以上、めねじの場合は、7H以上とする。

(エ) アンカー本体のねじの有効長さは、ねじの呼び径の1.2倍以上とする。

(オ) アンカー本体の表面処理は、JIS H 8610(電気亜鉛めっき)による2級以上とする。

(カ) アンカーのセット方式は、特記による。
特記がなければ、本体打込み式改良型とする。

(キ) 接合筋の種類、径及び長さは、特記による。

(ク) (ア)から(キ)まで以外は、アンカー製作所の仕様による。

(3) 接着系アンカーの仕様は、次による。

(ア) 引張耐力及びせん断耐力は、特記による。

(イ) アンカーの種類は、特記による。
特記がなければ、カプセル方式の回転・打撃式とする。

(ウ) アンカーの接着剤の品質は、表 8.2.2 による。

表 8.2.2 接着剤の品質

(エ) アンカー筋の径及び埋込み長さは、特記による。

(オ) アンカー筋の種類は、特記による。

(カ) アンカー筋の新設壁内への定着の長さは、特記による。

(キ) (ア)から(カ)まで以外は、アンカー製作所の仕様による。

(4) あと施工アンカーの性能確認試験の適用は、特記による。

8.2.5 コンクリートの材料及び調合

(1) セメント

(ア) セメントは表 8.2.3により、種類は特記による。
特記がなければ、普通ポルトランドセメント、高炉セメントA種、シリカセメントA種又はフライアッシュセメントA種とする。

表 8.2.3 セメント

(イ) 高炉セメントB種及びフライアッシュセメントB種の適用箇所は、特記による。

(ウ) 普通エコセメントを適用する場合は、8.1.2(3)8.1.38.1.48.2.58.2.68.2.75節から8節まで及び10節から11節までによる。

(2) 骨材

(ア) 骨材の種類及び品質は、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)附属書A(規定)[レディーミクストコンクリート用骨材]の規定によるほか、次による。

(a) フェロニッケルスラグ骨材、銅スラグ細骨材及び電気炉酸化スラグ骨材の使用は、特記による。
また、普通エコセメントを使用するコンクリートに再生骨材Hを使用する場合は、特記による。

(b) 砂利及び砂は、監督職員の承諾を受けて、次によることができる。

① 絶乾密度は、2.4g/cm3以上

② 吸水率は、4.0%以下

(イ) JIS A 5308 附属書Aに規定する、砕石、砕砂、フェロニッケルスラグ骨材、銅スラグ細骨材、電気炉酸化スラグ骨材、再生骨材H、砂利及び砂のアルカリシリカ反応性による区分は、特記による。
特記がなければ、Aとする。
なお、アルカリシリカ反応性による区分がBの骨材を使用する場合は、次のいずれかによりアルカリシリカ反応抑制対策を行う。

(a) 砕石、砕砂、電気炉酸化スラグ骨材、砂利及び砂の場合は、次のいずれかによる。

① 高炉セメントB種若しくはフライアッシュセメントB種を用いる普通コンクリート又は高炉スラグ微粉末若しくはフライアッシュを混和材として用いる普通コンクリートを使用する。
ただし、高炉セメントB種の高炉スラグの混合比は 40%以上、フライアッシュセメントB種のフライアッシュの混合比は 15%以上とする。
なお、混合比は、セメント製造者のセメント試験成績表の値により確認する。

8.6.4(2)によりコンクリート中のアルカリ総量が3.0㎏/m3以下であることを、(5)(c)により確認する。

(b) フェロニッケルスラグ骨材の場合は、JIS A 5011-2 附属書D(規定)[アルカリシリカ反応抑制対策の方法]による。

(c) 再生骨材Hの場合は、(a)①による。

(ウ) 高炉スラグ粗骨材は、JIS A 5011-1(コンクリート用スラグ骨材-第1部:高炉スラグ骨材)により、絶乾密度、吸水率及び単位容積質量による区分は、Nとする。

(エ) 電気炉酸化スラグ粗骨材は、JIS A 5011-4(コンクリート用スラグ骨材-第4部:電気炉酸化スラグ骨材)により、絶乾密度による区分は、Nとする。

(オ) 粗骨材の最大寸法

(a) 砕石、高炉スラグ粗骨材、電気炉酸化スラグ粗骨材及び再生粗骨材Hは20mm、砂利は 25mmとする。

(b) 基礎等で断面が大きく、鉄筋量が比較的少ない場合は、監督職員の承諾を受け、8.3.5の範囲で、砕石、高炉スラグ粗骨材及び再生粗骨材Hは25mm、砂利は 40mmとすることができる。

(3) 水
水は、JIS A 5308 附属書C(規定)[レディーミクストコンクリートの練混ぜに用いる水]による。

(4) 混和材料
混和材料の適用及び種類は、特記による。
特記がなければ、種類は次による。

(a) 混和剤の種類は、JIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)によるAE剤、AE減水剤又は高性能AE減水剤とし、化学混和剤の塩化物イオン(CƖ-)量による区分は、Ⅰ種とする。
また、防錆剤を併用する場合は、JIS A 6205(鉄筋コンクリート用防せい剤)による防錆剤とする。

(b) 混和材の種類は、JIS A 6201(コンクリート用フライアッシュ)によるフライアッシュのⅠ種、Ⅱ種、若しくはⅣ種、JIS A 6206(コンクリート用高炉スラグ微粉末)による高炉スラグ微粉末、JIS A 6207(コンクリート用シリカフューム)によるシリカフューム又はJIS A6202(コンクリート用膨張材)による膨張材とする。

(5) コンクリートの調合
コンクリートの計画調合は、所要のワーカビリティー並びに所定の強度及び耐久性が得られ、かつ、8.1.4 に示すその他の品質を満足するように定める。

(a) 調合管理強度及び調合強度

① 調合管理強度は、設計基準強度(Fc)に、②の構造体強度補正値(S)を加えた値かつ9節及び10節の関係する規定を満たすものとする。

② 構造体強度補正値(S)は、特記による。
特記がなければ表8.2.4により、セメントの種類及びコンクリートの打込みから材齢28 日までの期間の予想平均気温に応じて定める。

表 8.2.4 構造体強度補正値 (S)

③ 調合強度は、調合管理強度に、強度のばらつきを表す標準偏差に許容不良率に応じた正規偏差を乗じた値を加えたものとする。

(b) 調合条件

① AE剤、AE減水剤又は高性能AE減水剤を用いるコンクリートの荷卸し地点における空気量は、4.5%とする。

② 水セメント比の最大値は、次による。

㋐ 普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメントA種、シリカセメントA種及びフライアッシュセメントA種の場合は 65%、低熱ポルトランドセメント、高炉セメントB種、シリカセメントB種及びフライアッシュセメントB種の場合は60%、普通エコセメントの場合は55%とする。

㋑ 再生骨材Hを使用する場合は60%とする。

③ 単位水量の最大値は、185㎏/m3とし、単位水量は、コンクリートの品質が得られる範囲内で、可能な限り小さな値とする。

④ 単位セメント量の最小値は、270㎏/m3とし、単位セメント量は、②の水セメント比及び③の単位水量から算出される値とする。

⑤ 細骨材率は、コンクリートの品質が得られる範囲内で、適切に定める。

⑥ 混和材料の使用は、次による。

㋐ AE剤、AE減水剤又は高性能AE減水剤の使用量は、所定のスランプ及び空気量が得られるように定める。

㋑ 普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートで、圧送が困難な場合には、フライアッシュⅡ種又はⅣ種を混合することができる。
ただし、この場合は、単位セメント量を減じてはならない。

㋒ 普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートで、水セメント比の制限等により、強度上必要なセメント量を超えてセメントを使用する場合は、その超えた部分を、セメント全量の10%の範囲で、フライアッシュⅠ種又はⅡ種に置き換えることができる。

㋓ ㋐から㋒まで以外の混和材料の使用方法及び使用量は、特記による。
特記がなければ、使用方法及び使用量のわかる資料を提出し、監督職員の承諾を受ける。

⑦ コンクリートに含まれる塩化物量は、塩化物イオン(CƖ-)量で0.30㎏/m3以下とする。

⑧ コンクリートは、アルカリシリカ反応を生じるおそれのないものとする。

(c) 計画調合の決定

① 計画調合は、試し練りによって定める。
ただし、普通エコセメント又は再生骨材Hを使用するコンクリートを除くⅠ類のコンクリートの場合には、試し練りを省略することができる。

② 試し練りは、計画スランプ、計画空気量及び調合強度が得られることを確認する。

③ 供試体の養生は、8.8.3(1)(ア)による標準養生とする。

④ 調合強度の確認は、材齢28日の圧縮強度による。
ただし、あらかじめ監督職員の承諾を受けた場合は、この限りでない。

8.2.6 構造体用モルタルの材料及び調合

(1) モルタルの圧縮強度及びフロー値は、特記による。

(2) モルタルの調合は、次による。

(ア) 溶接金網巻き工法等で、コンクリートの代替としてモルタルを使用する場合の材料は、8.2.5の(1)から(4)までに準ずる。

(イ) モルタルは、打込み箇所及び打込み方法に応じて密実な打上り状態が得られる範囲内で、可能な限り硬練りとする。

(ウ) 調合は JIS R 5201(セメントの物理試験方法)のフロー試験によるモルタルのフロー値に応じ、表8.2.5を標準とする。

表 8.2.5 モルタルのフロー値と調合

8.2.7 型枠の材料

(1) せき板の材料は、特記による。
特記がなければ、次による。

(ア) コンクリート打放し仕上げの場合は、表8.1.4の表面の仕上り程度に見合ったものとする。

(イ) コンクリート打放し仕上げ以外の場合は、(2)(イ)又はその他の材料でコンクリートの所要の品質を確保できるものとする。
なお、(2)(イ)以外は監督職員の承諾を受ける。

(2) せき板の材料として合板を用いる場合は、(ア)又は(イ)とし、厚さは、特記による。
特記がなければ、厚さは12mm とする。
なお、合板に用いる樹種は、広葉樹、針葉樹又はこれらを複合したものとする。

(ア)「合板の日本農林規格」第5条「コンクリート型枠用合板の規格」による表面加工品

(イ)「合板の日本農林規格」第5条「コンクリート型枠用合板の規格」によるB-C

(3) スラブのせき板の材料として、床型枠用鋼製デッキプレートを用いる場合は、上面が平たんなものとし、製造所の仕様等の資料を監督職員に提出する。

(4) 型枠締付けの方法は、ボルト式とする。

(5) はく離剤を使用する場合は、コンクリート面に悪影響を及ぼさないものとする。

(6) 型枠は、支障のない限り、再使用することができる。

(7) 型枠に設けるスリーブ(配管用等)は、次による。

(ア) 貫通孔の径は、スリーブを取り外さない場合は、スリーブの内径寸法とする。

(イ) スリーブに用いる材料は表 8.2.6により、材種、規格等は特記による。
なお、柱及び梁以外の箇所で、開口補強が不要であり、かつ、スリーブ径が 200mm 以下の部分は、紙チューブとすることができる。

表 8.2.6 スリーブの材料

8.2.8 鋼材

鋼材は表8.2.7により、種類、形状及び寸法は特記による。

表8.2.7

8.2.9 高力ボルト

(1) 高力ボルトは次により、種類は特記による。

(ア) トルシア形高力ボルトは、(一社)日本鋼構造協会規格JSS Ⅱ 09(構造用トルシア形高力ボルト・六角ナット・平座金のセット)により、建築基準法に基づき、認定を受けたものとする。

(イ) JIS 形高力ボルトは、JIS B 1186 (摩擦接合用高力六角ボルト・六角ナット・平座金のセット) により、セットの種類は2種 (F10T)とする。

(ウ) 溶融亜鉛めっき高力ボルトは、建築基準法に基づき、認定を受けたものとし、セットの種類は1種(F8T)相当とする。

(2) 高力ボルトの寸法は、次による。

(ア) ねじの呼びは、特記による。

(イ) 高力ボルトの長さは首下寸法とし、次による。
ただし、長さが5mm 単位とならない場合は、2捨3入又は7捨8入とする。

(a) トルシア形高力ボルトは、締付け長さに表8.2.8 の値を加えたものを標準長さとし、認定を受けたものの基準寸法のうち、最も近い寸法とする。

(b) JIS形高力ボルト又は溶融亜鉛めっき高力ボルトは、締付け長さに表8.2.8の値を加えたものを標準長さとし、それぞれJIS B 1186の基準寸法又は認定を受けたものの基準寸法のうち、最も近い寸法とする。

表 8.2.8 締付け長さに加える長さ

8.2.10 溶接材料

(1) 溶接棒等の種類は、表8.2.9 により、母材の種類及び寸法並びに溶接条件に相応したものを選定する。

表 8.2.9 溶接棒等の種類

(2) ガスシールドアーク溶接に使用するシールドガスは、JIS Z 3253(溶接及び熱切断用シールドガス)により、使用するワイヤに相応したものとする。

(3) (1)及び(2)以外の溶接材料は、特記による。

8.2.11 スタッド

スタッドは、JIS B 1198(頭付きスタッド)により、種類等は、特記による。

8.2.12 柱底均しモルタル及びグラウト材

(1) 柱底均しモルタルは、特記による。
特記がなければ、無収縮モルタルとし、次による。

(ア) セメントは、JIS R 5210(ポルトランドセメント)による普通ポルトランドセメント又は早強ポルトランドセメントとする。

(イ) 混和材は、セメント系膨張材(酸化カルシウム、カルシウム・サルフォ・アルミネート等)とする。

(ウ) 砂、配合比等は、無収縮モルタルの製造所の仕様による。

(エ) 無収縮モルタルの品質及び試験方法は、表8.2.10による。

表 8.2.10 無収縮モルタルの品質及び試験方法

(2) グラウト材は、無収縮グラウト材とし、実績等の資料を監督職員に提出する。

8.2.13 連続繊維シート及び含浸接着樹脂等

(1) 連続繊維補強材は、連続繊維シートに含浸接着樹脂を含浸し、硬化させたものとし、材料、工法、引張強度、ヤング係数等は、特記による。

(2) 含浸接着樹脂、プライマー、断面修復材及び下地調整材は、採用した工法の規定を満たすものとする。

8.2.14 鋼材の材料試験等

(1) 鋼材の品質を試験により証明する場合の試験の方法等は、適用するJIS又は建築基準法に基づき定められた方法により、それぞれ指定された材料に相応したものとする。

(2) 1.4.4[材料の検査等](4)のJIS等の規定に適合する品質であることを証明する資料は、規格品証明書とする。
ただし、監督職員の承諾を受けて、その他規格を証明できる資料に代えることができる。

(3) 板厚方向に引張力を受ける鋼板の試験は、JIS G 0901(建築用鋼板及び平鋼の超音波探傷試験による等級分類及び判定基準)により、適用は特記による。

8.2.15 基礎工事に用いる材料

(1) 砂利地業に使用する砂利は、再生クラッシャラン、切込砂利又は切込砕石とし、適用は特記による。
なお、粒度は、JIS A 5001(道路用砕石)によるC-40程度とする。

(2) 砂地業に使用する砂は、シルト、有機物等の混入しない締固めに適した山砂、川砂又は砕砂とし、適用は特記による。

(3) 捨コンクリート地業に使用するコンクリートは、11節による。

(4) 杭の材料は、特記による。

(5) 杭に継手を設ける場合の継手の箇所数、材料、工法等は、特記による。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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