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1節 共通事項/8章 耐震改修工事/平成31年版 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)

8.1.1 一般事項

この章は、鉄筋コンクリート造骨組、鉄骨鉄筋コンクリート造骨組及び鉄骨造骨組の耐震改修工事の鉄筋工事、あと施工アンカー工事、コンクリート工事、鉄骨工事、グラウト工事、連続繊維補強工事、スリット新設工事、免震改修工事、制振改修工事、土工事及び地業工事に適用する。
また、1章[各章共通事項]と併せて適用する。

8.1.2 基本要求品質

(1) 鉄筋工事

(ア) 鉄筋工事に用いる材料は、所定のものであること。

(イ) 組み立てられた鉄筋は、所定の形状及び寸法を有し、所定の位置に保持されていること。
また、鉄筋の表面は、所要の状態であること。

(ウ) 鉄筋の継手及び定着部は、作用する力を伝達できるものであること。

(2) あと施工アンカー工事

(ア) あと施工アンカー工事に用いる材料は、所定の寸法及び形状を有し、所要の性能を満足するものであること。

(イ) 打設されたあと施工アンカーは、所定の位置に保持されていること。

(ウ) 打設されたあと施工アンカーは、作用する力を伝達できるものであること。

(3) コンクリート工事

(ア) コンクリート工事に用いる材料は、所定のものであること。

(イ) 打ち込まれたコンクリートは、所定の形状、寸法及び位置並びに密実な表面状態を有すること。

(ウ) コンクリートは、所定の強度を有し、構造耐力、耐久性、耐火性等に有害な欠陥がないこと。

(4) 鉄骨工事

(ア) 鉄骨工事に用いる材料は、所定のものであること。

(イ) 鉄骨は、所定の形状及び寸法を有し、所定の位置に架構されていること。

(ウ) 鉄骨は、構造耐力、耐久性、耐火性等に対する有害な欠陥がなく、接合部及び定着部は、作用する力を伝達できるものであること。

(5) グラウト工事

(ア) グラウト工事に用いる材料は、所定のものであること。

(イ) 打ち込まれたグラウト材は、所定の形状及び寸法を有し、隙間なく充填されていること。

(ウ) 打ち込まれたグラウト材は、所定の強度を有し、作用する力を伝達できるものであること。

(6) 連続繊維補強工事

(ア) 連続繊維補強工事に用いる材料は、所定のものであること。

(イ) 連続繊維補強材は、所定の形状及び寸法を有し、構造体に均一に密着していること。

(ウ) 連続繊維補強材は、所定の強度を有すること。

(7) スリット新設工事

(ア) スリットは、所定の形状及び寸法を有すること。

(イ) スリットに充填される耐火材、遮音材等は所定の形状及び寸法を有し、所要の品質を満足するものであること。

(8) 免震改修工事及び制振改修工事

(ア) 免震改修工事及び制振改修工事に用いる材料は、所定のものであること。

(イ) 免震材料及び減衰材は、所定の性能、形状及び寸法を有すること。

(ウ) 免震材料及び減衰材は、所定の位置に設置されていること。

(9) 土工事及び地業工事

(ア) 土工事及び地業工事に用いる材料は、所定のものであること。

(イ) 根切りは、所定の形状及び寸法を有すること。
また、根切り底は、上部の構造体に対して有害な影響を与えないように、平たんで整ったものであること。

(ウ) 埋戻し及び盛土は、所要の状態に締め固められ、所要の仕上り状態であること。

(エ) 地業の位置、形状及び寸法は、上部の構造体に対して有害な影響を与えないものであること。

(オ) 杭地業は、所定の支持力を有するものであること。

8.1.3 コンクリートの種類

(1) コンクリートの類別は、表8.1.1 により、適用は特記による。
特記がなければ、Ⅰ類とする。
なお、建築基準法第 37条第二号の規定に基づき国土交通大臣の認定を受けたコンクリートは、特記による。

表 8.1.1 コンクリートの類別

(2) コンクリートの気乾単位容積質量による種類は、普通コンクリート又は軽量コンクリートとし、適用は特記による。

8.1.4 コンクリートの品質

(1) コンクリートの強度

(ア) コンクリートの設計基準強度(Fc)の値は、普通コンクリートにおいては 36N/mm2 以下、軽量コンクリートにおいては 27N/mm2 以下とし、特記による。

(イ) 構造体とするために打ち込まれるコンクリートの強度は、材齢28日において調合管理強度以上とする。

(ウ) 構造体コンクリート強度は、設計基準強度(Fc)以上とし、工事現場で採取し、養生された供試体の圧縮強度を基に推定する。
なお、構造体コンクリートとは、構造体とするために打ち込まれ、硬化したコンクリートをいう。(以下この章において同じ。)

(エ) (イ)及び(ウ)で規定するコンクリート強度の判定は、8節による。

(2) ワーカビリティー及びスランプ

(ア) コンクリートのワーカビリティーは、打込み場所、打込み方法及び締固め方法に応じて、型枠内並びに鉄筋及び鉄骨周囲に密実に打ち込むことができ、かつ、ブリーディング及び材料分離が少ないものとする。

(イ) コンクリートの荷卸し地点におけるスランプは、特記による。
特記がなければ、表 8.1.2による。

表 8.1.2 スランプ

(3) 構造体コンクリートの仕上り

(ア) 部材の位置及び断面寸法の許容差並びにその測定方法は、次による。

(a) 位置及び断面寸法の許容差は、表8.1.3を標準として、仕上げの種類、納まり等を考慮して定める。

表 8.1.3 部材の位置及び断面寸法の標準値

(b) 測定方法は、部材等に応じて適切な方法を定める。

(イ) コンクリート表面の仕上り状態

(a) コンクリートの打放し仕上げは、次による。

① 合板せき板を用いる場合のコンクリートの打放し仕上げは、表 8.1.4により、種別は特記による。

表 8.1.4 打放し仕上げの種別

② ①以外のせき板に接するコンクリートの表面は、型枠締付け金物の穴、砂じま、へこみ等をポリマーセメントペースト等で補修し、コンクリートの突起部を取り除く。

(b) コンクリートの仕上りの平たんさは、表8.1.5 により、各章の定めがある場合を除き、仕上げに応じ、種別は特記による。

表 8.1.5コンクリートの仕上りの平たんさの種別

8.1.5 鉄骨製作工場

(1) 鉄骨製作工場の加工能力等は、特記による。

(2) 施工管理技術者を配置する場合は、施工管理技術者が常駐する鉄骨製作工場を選定する。

(3) 選定した鉄骨製作工場の加工能力等を証明する資料を監督職員に提出し、承諾を受ける。

(4) 選定した鉄骨製作工場の品質管理が適切に行われたことを示す記録を監督職員に提出する。

8.1.6 鉄骨製作工場における施工管理技術者

(1) 鉄骨製作工場における施工管理技術者の配置は、特記による。

(2) 鉄骨製作工場における施工管理技術者は、鉄骨造建築物の設計、施工等に関わる指導及び品質管理を行う能力を有する者とする。
また、当該工事の鉄骨製作に携わるとともに、品質の向上に努める。

(3) (1)及び(2)以外は、1.3.2[施工管理技術者]による。

8.1.7 有害物質を含む材料の処理

改修部に石綿、鉛等の有害物質を含む材料が使用されていることを発見した場合、監督職員と協議する。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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