6.8.1 一般事項
この節は、ビニル床シート、ビニル床タイル及びゴム床タイルを用いて、床仕上げを行う工事に適用する。
6.8.2 材料
(1) ビニル床シートは、JIS A 5705 (ビニル系床材) に基づき、種類の記号、色柄、厚さ等は、特記による。
特記がなければ、種類の記号はFS、厚さ 2.0mm とする。
(2) ビニル床タイルは、JIS A 5705に基づき、種類の記号、色柄、寸法、厚さ等は、特記による。
特記がなければ、種類の記号はKT、厚さ 2.0mmとする。
(3) 特殊機能床材
(ア) 帯電防止床シートの種類、性能、厚さ等は、特記による。
(イ) 帯電防止床タイルの種類、性能、寸法、厚さ等は、特記による。
(ウ) 視覚障害者用床タイルの種類、形状は、特記による。
(エ) 耐動荷重性床シートの種類、厚さ等は、特記による。
(オ) 防滑性床シートの種類、厚さ等は、特記による。
(カ) 防滑性床タイルの種類、寸法、厚さ等は、特記による。
(4) ビニル幅木の材質の種類、厚さ、高さ等は、特記による。
特記がなければ、厚さ1.5mm以上、高さ60mmとする。
(5) ゴム床タイルは、天然ゴム又は合成ゴムを主成分としたもので、色柄、種類、厚さ、寸法等は、特記による。
(6) 接着剤
(ア) ビニル床シート及びビニル床タイル用接着剤は、JIS A 5536 (床仕上げ材用接着剤) に基づき、種別は表 6.8.1 による施工箇所に応じたものとする。
ただし、接着剤のホルムアルデヒド放散量による区分は特記による。
特記がなければ、F☆☆☆☆とする。
なお、フリーアクセスフロアの床に使用する接着剤は、6.9.2(7)に準じた粘着はく離形とすることができる。
(イ) ゴム床タイル用接着剤は、JIS A 5536 に基づき、種別は表6.8.2による施工箇所に応じたものとする。
ただし、接着剤のホルムアルデヒド放散量による区分は、特記による。
特記がなければ、F☆☆☆☆とする。
(7) 下地の補修等に使用するポリマーセメントペースト、ポリマーセメントモルタル等は、床材の製造所又は接着剤の製造所の指定する製品とする。
6.8.3 工法
(1) 下地は、次による。
(ア) モルタル塗り下地は、6.15.6(2)により施工後14日以上乾燥したものとする。
なお、張付けに先立ち下地表面の傷等のへこみは、ポリマーセメントペースト、ポリマーセメントモルタル等により補修を行い、突起等はサンダー掛け等を行い、平滑にする。
(イ) セルフレベリング材塗り下地は、6.17.5による。
(ウ) 木下地は、表 6.5.10による。
(エ) (ア)から(ウ)まで以外の下地の工法は、特記による。
(2) ビニル床シート張りは、次による。
(ア) ビニル床シートは、張付けに先立ち、仮敷きを行い、巻きぐせを取る。
(イ) 本敷き及び張付けは、次による。
(a) 施工に先立ち、下地面の清掃を行った後、はぎ目、継手、出入口際、柱付き等は、隙間のないように切込みを行う。
(b) 張付けは、接着剤を所定のくし目ごてを用い、下地面へ均一に塗布する。
また、必要に応じて裏面にも塗布し、空気だまり、不陸、目違い等のないように、べた張りとする。
(c) 張付け後は、表面に出た余分な接着剤をふき取り、ローラー掛け等の適切な方法で圧着し、必要に応じて、押縁留めをして養生を行う。
(ウ) 目地処理する場合の工法は特記による。
特記がなければ、熱溶接工法とし、次による。
(a) ビニル床シート張付け後、接着剤が硬化した状態を見計らい、はぎ目及び継目の溝切りは、溝切りカッター等を用いて行う。
(b) 溝は、V字形又はU字形とし、均一な幅に床シート厚さの2/3程度まで溝切りする。
(c) 溶接は、熱溶接機を用いて、ビニル床シートと溶接棒を同時に溶融し、余盛りができる程度に加圧しながら行う。
(d) 溶接完了後、溶接部が完全に冷却した後、余盛りを削り取り、平滑にする。
(エ) 表面仕上げは、接着剤の硬化後、全面を水ぶき清掃し、乾燥後は、ビニル床シートの製造所の指定する樹脂ワックスを用いてつや出しを行う。
(3) ビニル床タイル及びゴム床タイル張りは、次による。
(ア) 張付けは、下地面の清掃を行った後、接着剤を所定のくし目ごてを用い下地面の全面に均一に塗布し、目地の通りよく、出入口際、柱付き等は、隙間のないように張り付け、適切な方法で下地面に圧着し、接着剤が硬化するまで養生を行う。
なお、ゴム床タイルでゴム系溶剤形接着剤を用いる場合は、接着剤を下地及びタイル裏面に塗布し指触乾燥後、張り付ける。
(イ) 表面仕上げは、(2)(エ)による。ただし、天然ゴム系のゴム床タイルの場合は、湿潤なのこくず等を散布し、ポリッシャーを用いて清掃後、つや出しを行う。
6.8.4 施工時の環境条件
張付け時及び接着剤の硬化前の室温が5℃以下になるおそれのある場合は、施工を中止する。
ただし、採暖等の養生を行う場合はこの限りでない。
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