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5節 木下地等/6章 内装改修工事/平成31年版 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)

6.5.1 一般事項

(1) 適用範囲
この節は、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、組積造等の内部改修工事において木下地等を新設する場合に適用する。

(2) 木材の断面寸法
木材の断面を表示する寸法は、引出線で部材寸法 (短辺×長辺) が示されている場合は、ひき立て寸法とし、寸法線で部材寸法が記入されている場合は、仕上り寸法とする。
なお、木材の断面を表示する寸法は、ひき立て寸法とする。

(3) 表面仕上げ
見え掛り面の表面の仕上げ程度は、次による。

(ア) 機械加工は表6.5.1により、適用箇所及び種別は、特記による。

表 6.5.1 機械加工による仕上げの程度

(イ) 手加工は表6.5.2により、種別は特記による。
特記がなければ、内部造作材はH-B種、下地材はH-C種とする。

表6.5.2 手加工による仕上げの程度 (製材)

(4) 継手及び仕口

(ア) 継手は、乱に配置する。

(イ) 土台等の継伸しで、やむを得ず短材を使用する場合は、1mを限度とする。

(ウ) 合板、ボード類の壁付き材は、小穴じゃくりをつける。

(エ) 継手及び仕口が明示されていない場合は、適切な工法を定め、監督職員に報告する。

(5) 養生

(ア) 造作材及び仕上材は、ハトロン紙、ビニル加工紙で包装等で包装するなど、適切な方法で養生を行う。
和室の場合は、主要な箇所にハトロン紙等の張付けを行う。

(イ) 集積場所は、直射日光、高温、多湿等の場所等を避ける。

6.5.2 木材

(1) 施工一般

(ア) 木材、合板等は、品質、出荷量等を記録した出荷証明書を、監督職員に提出する。

(イ) 含水率

(a) 木材の含水率は、特記による。
特記がなければ、表6.5.3により、種別はA種とする。

表6.5.3 木材の含水率

(b) 現場における含水率の測定は、電気抵抗式水分計又は高周波水分計による。

(ウ) 材料のホルムアルデヒド放散量等は、特記による。
特記がなければ、「F☆☆☆☆」又はホルムアルデヒド放散量の表示がない場合、塗装していないものは「非ホルムアルデヒド系接着剤使用」、塗装したものは「非ホルムアルデヒド系接着剤及びホルムアルデヒドを放散しない塗料使用」、化粧加工したものは「非ホルムアルデヒド系接着剤及びホルムアルデヒドを放散しない材料使用」とする。

(2) 製材は、次により、適用は特記による。

(ア) 「製材の日本農林規格」による製材は、次による。

(a) 下地用針葉樹製材は、「製材の日本農林規格」第7条「下地用製材の規格」に基づき、乾燥処理を施した木材とし、樹種、寸法、等級と形状 (耳付材・押角)、含水率、保存処理及び材面の品質は、特記による。
特記がなければ、等級は2級とする。

(b) 造作用針葉樹製材は、「製材の日本農林規格」第4条「造作用製材の規格」に基づき、乾燥処理を施した木材とし、樹種、寸法、等級と形状 (板類・角類) 、含水率、保存処理及び材面の品質は、特記による。
特記がなければ、板類における等級は、枠、額縁、敷居、かもい、かまちの類の見え掛り面は上小節、それ以外は小節以上とする。

(c) 広葉樹製材は、「製材の日本農林規格」第8条「広葉樹製材の規格」に基づき、乾燥処理を施した木材とし、樹種、寸法、等級、含水率、保存処理及び材面の品質は、特記による。
特記がなければ、等級は1等、含水率は 10%以下とする。

(イ) 「製材の日本農林規格」以外の製材は、次による。

(a) 下地、造作及び仕上げに用いる製材は、乾燥処理を施した木材とし、樹種、寸法、材面の品質、防虫処理及び含水率は、特記による。

(b) 目視により材の欠点がないことを全て確認し、報告書を監督職員に提出する。

(c) 造作材の材面の品質の基準は表 6.5.4 により、種別は特記による。
特記がなければ、A種とする。

表 6.5.4 造作材の材面の品質の基準

(ウ) 樹種は、特記による。
なお、木れんが、くさび類は、ひのきとし、込み栓等は、かし、けやきの類の広葉樹とし、下地材の継手の添え板は、下地材と同材とする。

(3) 造作用集成材等は、次により、適用は特記による。

(ア) 「集成材の日本農林規格」による造作用集成材等は、次による。

(a) 造作用集成材は、「集成材の日本農林規格」 第3条「造作用集成材の規格」に基づき、品名、樹種、見付け材面数、寸法及び見付け材面の品質は、特記による。
特記がなければ、見付け材面の品質は1等とする。

(b) 化粧ばり造作用集成材は、「集成材の日本農林規格」 第4条「化粧ばり造作用集成材の規格」に基づき、品名、樹種 (化粧薄板・芯材) 、化粧薄板の厚さ、見付け材面数、寸法及び見付け材面の品質は、特記による。
特記がなければ、見付け材面の品質は1等とする。

(c) 化粧ばり構造用集成柱は、「集成材の日本農林規格」第 6条「化粧ばり構造用集成柱の規格」に基づき、品名、樹種 (化粧薄板・芯材) 、化粧薄板の厚さ、寸法及び見付け材面の品質は特記による。

(イ) 「集成材の日本農林規格」以外の造作用集成材等は、次による。

(a) 造作用集成材の樹種、寸法、見付け材面の品質 (欠け及びきず、腐れ、割れ、逆目(仕上材に限る。)、補修その他加工時の欠点) 及び含水率は、特記による。
特記がなければ、含水率は15%以下とする。

(b) 化粧ばり造作用集成材の樹種 (化粧薄板・芯材) 、寸法、化粧薄板の厚さ、見付け材面の品質 (節(節を化粧の目的としたものを除く。)、やにつぼ等、欠け及びきず、腐れ、割れ、変色及び汚染、穴、逆目、ふくれ等、はぎ目の透き、色調及び木理の不整、補修その他の欠点) 及び含水率は、特記による。
特記がなければ、含水率は 15%以下とする。

(c) 化粧ばり構造用集成柱の樹種 (化粧薄板・芯材) 、寸法、見付け材面の品質(節、やにつぼ等、欠け及びきず、腐れ、割れ、変色及び汚染、穴、逆目、ふくれ等、色調及び木理の不整、補修その他の欠点)、化粧薄板の厚さ及び含水率は、特記による。
特記がなければ、含水率は15%以下とする。

(d) 目視により、欠点がないことを全て確認し、報告書を監督職員に提出する。

(4) 造作用単板積層材は、次により、適用は特記による。

(ア) 「単板積層材の日本農林規格」に基づく造作用単板積層材は、第3条「造作用単板積層材の規格」に基づき、品名、寸法及び表面の品質 (表面の化粧加工の有無、表面の化粧加工なしの場合は等級、表面の化粧加工の場合は、天然木化粧加工・塗装加工) 及び防虫処理は、特記による。

(イ) 「単板積層材の日本農林規格」以外の造作用単板積層材は、寸法及び表面の品質 (表面の化粧加工の有無、表面の化粧加工なしの場合は、生き節又は死に節、抜け節又は穴、入り皮、やにつぼ等、割れ欠け、欠点、表面の化粧加工の場合は、天然木化粧加工・塗装加工)、含水率及び防虫処理は、特記による。
特記がなければ、含水率は 14%以下とする。
なお、目視により、欠点がないことを全て確認し、報告書を監督職員に提出する。

(5) 直交集成板は、「直交集成板の日本農林規格」第3条「規格」に基づき、品名、曲げ強度(強度等級)、種別、接着性能(使用環境)、樹種及び寸法は、特記による。

(6) 合板等は、次により、適用は特記による。

(ア) 下地用合板は、次による。

(a) 普通合板は、「合板の日本農林規格」第4条「普通合板の規格」に基づき、品名、厚さ、接着の程度、板面の品質及び単板の樹種名は、特記による。
特記がなければ、厚さ5.5㎜、接着の程度は1類とし、板面の品質は、広葉樹の場合は2等以上、針葉樹の場合はC-D以上とする。
また、湿潤状態となる場所に使用する場合は、接着の程度を1類とする。
なお、防虫処理を行う場合は、特記による。

(b) 構造用合板は、「合板の日本農林規格」第6条「構造用合板の規格」に基づき、品名、厚さ、接着の程度、等級、板面の品質、単板の樹種名及び保存処理は、特記による。
特記がなければ、厚さ 12 ㎜、接着の程度は1類、等級は2級以上、板面の品質はC-D以上とする。
また、常時湿潤状態となる場所に使用する場合は、接着の程度を特類とする。
なお、防虫処理及び強度等級を指定する場合は、特記による。

(イ) 化粧ばり構造用合板は、「合板の日本農林規格」第7条「化粧ばり構造用合板の規格」に基づき、品名、厚さ、単板の樹種名及び接着の程度は、特記による。
また、常時湿潤状態となる場所に使用する場合は、接着の程度を特類とする。
なお、防虫処理を行う場合は、特記による。

(ウ) 天然木化粧合板は、内部の造作に使用するものとし、「合板の日本農林規格」第8条「天然木化粧合板の規格」に基づき、厚さ、接着の程度及び化粧板に使用する単板の樹種名は、特記による。
なお、防虫処理を行う場合は、特記による。

(エ) 特殊加工化粧合板は、内部の造作に使用するものとし、「合板の日本農林規格」第9条「特殊加工化粧合板の規格」に基づき、品目、厚さ、接着の程度、単板の樹種名及び化粧加工の方法 (オーバーレイ、プリント、塗装等) は、特記による。
なお、防虫処理を行う場合は、特記による。

(オ) パーティクルボードは、JIS A 5908 (パーティクルボード) に基づき、表裏面の状態による区分、曲げ強さによる区分、耐水性による区分、難燃性による区分及び厚さは、特記による。
特記がなければ、厚さ15mm、13Pタイプ又は13Mタイプとする。

(カ) 構造用パネルは、「構造用パネルの日本農林規格」に基づき、品名及び厚さは、特記による。

(キ) ミディアムデンシティーファイバーボード(MDF)は、JIS A 5905(繊維板)に基づき、表裏面の状態による区分、曲げ強さによる区分、接着剤による区分、難燃性による区分及び厚さは、特記による。

6.5.3 接合具等

(1) 釘等

(ア) 下地材及び造作材に用いる釘は、JIS A 5508 (くぎ) により、湿潤状態となる場所は、ステンレス製とし、それ以外は表面処理された鉄とする。
また、木ねじは、JIS B 1112 (十字穴付き木ねじ) 又はJIS B 1135 (すりわり付き木ねじ) に基づき、材質はステンレス製とする。

(イ) 釘の長さは、原則として、打ち付ける板厚の2.5倍以上とする。

(ウ) 造作材の釘打ちは、次により、等間隔に打つ。

(a) 造作材が下地材又は木れんがと交差する箇所に打つ。

(b) 造作材が下地材と平行する場合は、端部から逃げた位置から、間隔300~450mm程度とする。

(c) 板類で幅の広いものは、両耳及びその中間に間隔100mm程度とする。

(d) 造作材化粧面の釘打ちは、隠し釘打ち、釘頭埋め木、つぶし頭釘打ち及び釘頭現しとし、適用は特記による。
特記がなければ、隠し釘打ちとする。

(2) 諸金物

(ア) 諸金物の形状、寸法及び材質は、特記による。特記がなければ、かすがい、座金、箱金物及び短冊金物は、表6.5.5から表6.5.7までに示す程度の市販品で、木材の寸法に応じた適切なものとし、コンクリート埋込み部を除き、表8.20.1[鉄鋼の亜鉛めっきの種別]のF種程度の亜鉛めっきを施したものとする。

表 6.5.5 かすがい
表 6.5.6 座 金
表 6.5.7 箱金物及び短柵金物

(イ) 諸金物は、必要に応じて、木部に彫込みとし、表面より沈める。

(ウ) 土台、吊木受その他の取付けに使用するアンカーボルトは、あらかじめコンクリートに打ち込むか、又は、6.6.4(1)(イ)によるあと施工アンカーとする。

(3) 接着剤は、接着する材料に適したものとする。
ただし、接着剤のホルムアルデヒド放散量は、特記による。
特記がなければF☆☆☆☆とする。

6.5.4 木れんが

(ア) 木れんがは、接着工法又はあと施工アンカーで取り付ける。

(イ) 接着工法に使用する接着剤は、JIS A 5537 (木れんが用接着剤) による。
ただし、接着剤のホルムアルデヒド放散量は、特記による。
特記がなければF☆☆☆☆とする。

6.5.5 防腐・防蟻・防虫処理

(1) 防腐・防蟻処理
下地木材への防腐・防蟻処理は、次により、処理方法は特記による。
なお、「製材の日本農林規格」に基づく心材の耐久性区分D1の樹種の心材のみを用いた製材は、次の(a)及び(b)による薬剤による処理の適用を省略できる。

(a) 薬剤の加圧注入は、次による。

① 「製材の日本農林規格」若しくは「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」に基づく保存処理の性能区分K2からK4までに適合するもの又はこれと同等の保存処理性能のものとし、適用部材及び保存処理性能区分は、特記による。

② 人体への安全性及び環境への影響について配慮され、かつ、JIS K 1570 (木材保存剤) に基づく加圧注入用木材保存剤又はこれと同等の性能を有する木材保存剤を用いて、JIS A9002 (木質材料の加圧式保存処理方法) に基づく加圧式保存処理を行う。
なお、JIS A 9002に基づく使用薬剤、注入量等の証明書を、監督職員に提出する。

③ 加圧注入処理を行った後、加工、切断、孔あけ等を行った箇所は、(b)により処理を行う。

(b) 薬剤の塗布等は、次による。

① 人体への安全性及び環境への影響について配慮され、かつ、JIS K 1571 (木材保存剤―性能基準及びその試験方法)に適合する表面処理用木材保存剤又はこれと同等の性能を有する木材保存剤による処理を行う。
ただし、附属書A(規定)に基づく表面処理用木材保存剤による処理の適用、薬剤の種類及び適用部材は、特記による。
なお、処理に使用した薬剤、使用量等の記録を監督職員に提出する。

② 処理の方法は、特記による。
特記がなければ、次による。

㋐ 処理面の汚れ及び付着物を取り除く。

㋑ 塗布又は吹付けに使用する薬剤の量は、表面積1m2当たり300mL程度とし、処理むらが生じないように、2回処理を行う。

㋒ 塗布又は吹付けは、1回処理した後、十分に乾燥させ、2回目の処理を行う。

㋓ 木材の木口、仕口及び継手の接合箇所、割れ並びにコンクリート、モルタル、束石等に接する部分は、特に入念な処理を行う。

(c) 薬剤の接着剤への混入による防腐・防蟻処理は、特記による。

(d) 合板等の加圧注入による防腐・防蟻処理は、「合板の日本農林規格」、「集成材の日本農林規格」若しくは「単板積層材の日本農林規格」の保存処理の性能区分K3に適合するもの又はこれと同等の保存処理性能のものとし、適用は特記による。

(2) 防虫処理
防虫処理の適用は、特記による。
なお、ラワン材等を使用する場合は、「製材の日本農林規格」第8条「広葉樹製材の規格」に基づく保存処理の性能区分K1の防虫処理を行う。

6.5.6 鉄筋コンクリート造等の内部間仕切軸組及び床組

(1) 木材

(ア) 間仕切軸組に用いる木材は、特記による。
特記がなければ、杉又は松とする。

(イ) 床組に用いる木材は、特記による。
特記がなければ、杉又は松とする。
ただし、土間スラブの類の場合の土台、転ばし大引及び転ばし根太は、ひのき又は 6.5.5 による保存処理木材とする。

(2) 工法 工法は、表6.5.8 による。

表 6.5.8 間仕切軸組及び床組の工法

6.5.7 窓、出入口その他

(1) 木材
窓、出入口その他に用いる木材は、特記による。
特記がなければ、吊元枠、水掛りの下枠及び敷居はひのき、その他は松又は杉を標準とする。

(2) 工法
工法は、表6.5.9による。

表 6.5.9 窓、出入口その他の工法

6.5.8 床板張り

(1) 木材
縁甲板及び上がりがまちに用いる木材は、特記による。
特記がなければ、ひのきとする。
なお、フローリングは、11節による。

(2) 工法
工法は、表6.5.10による。

表 6.5.10 床板張りの工法

6.5.9 壁及び天井下地

(1) 木材
木材は、特記による。
特記がなければ、杉又は松とする。

(2) 工法
工法は、表6.5.11による。
ただし、内装材を取り付ける壁胴縁及び野縁の取付け面は、機械かんな1回削りとする。

表 6.5.11 壁及び天井下地の工法
このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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