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5節 合成高分子系ルーフィングシート防水/3章 防水改修工事/平成31年版 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)

3.5.1 一般事項
3.5.2 材料
3.5.3 種別及び工程
3.5.4 施工

3.5.1 一般事項

この節は、新設する防水層に合成高分子系ルーフィングシート (均質シート又は複合シート)(以下この節において「ルーフィングシート」という。) を用いて施工する防水に適用する。

3.5.2 材料

(1) ルーフィングシートは、JIS A 6008 (合成高分子系ルーフィングシート) に基づき、種類及び厚さは特記による。
特記がなければ、表3.5.1、表 3.5.2及び表 3.5.3による。
なお、粘着層付又は接着剤付加硫ゴム系ルーフィングシートの粘着層は、強風による飛散、浮き等が生じないための負圧抵抗性能を有しているものとし、ルーフィングシートの製造所の指定する製品とする。

(2) 絶縁用シートの材質は、特記による。
特記がなければ、発泡ポリエチレンシートとする。

(3) その他の材料

(ア) プライマー、層間接着用プライマー、増張り用シート、成形役物、接着剤、シール材、絶縁用テープ、防湿用フィルム、成形緩衝材等は、ルーフィングシート製造所の指定する製品とする。

(イ) 固定金具の材質、形状及び寸法は、特記による。
特記がなければ、防錆処理した鋼板、ステンレス鋼板又はそれらの鋼板の片面若しくは両面に樹脂を積層加工したもので、厚さ0.4mm以上のものとする。

(ウ) 押え金物の材質、形状及び寸法は、ルーフィングシートの製造所の指定する製品とする。

(エ) 断熱工法に用いる断熱材は、次による。

(a) 機械的固定工法の場合は、JIS A 9521(建築用断熱材)に基づく発泡プラスチック断熱材とし、種類及び厚さは、特記による。
ただし、硬質ウレタンフォーム断熱材2種1号又は2号の場合は、透湿係数を除く JIS A 9521 の規格に準ずるものとし、ポリエチレンフォーム断熱材は適用しない。

(b) 接着工法の場合は、JIS A 9521に基づく発泡プラスチック断熱材とし、種類及び厚さは、特記による。
ただし、硬質ウレタンフォーム断熱材2種1号又は2号の場合は、透湿係数を除くJIS A 9521 の規格に準ずるものとし、ポリエチレンフォ-ム断熱材の場合は、密度及び熱伝導率が、JIS A 9521の規格に準ずるものとする。

(オ) モルタルの調合は、表 3.3.2による。

3.5.3 種別及び工程

(1) P0S工法、P0SI工法及びS4S工法、S4SI工法は、次による。

(ア) 新規防水層の種別及び工程は、表3.5.1及び表3.5.2 とし、種別は特記による。

(イ) 接着工法の場合の脱気装置の種類及び設置数量は、特記による。
特記がなければ、ルーフィングシートの製造所の仕様による。

(2) S3S及びS3SI工法は、次による。

(ア) 新規防水層の種別及び工程は、表3.5.1 のS-F1及びS-F2 並びに表3.5.2 のSI-F1及びSI-F2により、種別は特記による。

(イ) 脱気装置の種類及び設置数量は、特記による。
特記がなければ、ルーフィングシートの製造所の指定とする。

(3) M4S及びM4SI工法は、次による。
新規防水層の種別及び工程は、表 3.5.1 のS-M1 、S-M2 及びS-M3 並びに表 3.5.2のSI-M1 及びSI-M2により、種別は特記による。

(4) P1S工法は、次による。
新規防水層の種別及び工程は、表 3.5.3 による。
ただし、ALCパネル下地及びプレキャストコンクリート下地には適用しない。

表 3.5.1 合成高分子系ルーフィングシート防水工法の種別及び工程
表 3.5.2 合成高分子系ルーフィングシート防水工法 (断熱工法) の種別及び工程
表 3.5.3 合成高分子系ルーフィングシート防水工法(屋内保護密着工法)の種別及び工程

3.5.4 施工

(1) 防水層の下地は、次による。

(ア) 防水層の下地は、3.2.6による。

(イ) ルーフドレン、配管等に施されている塗料で、プライマー及び接着剤で溶解するおそれのあるものは、ルーフィングシートの張付けに先立ち、ワイヤーブラシ、溶剤を含ませたウエス等を用いて除去する。

(2) プライマー塗り (接着工法及び屋内保護密着工法) は、次による。

(ア) 下地が十分乾燥した後に清掃を行う。

(イ) 接着工法の場合、ローラーばけ等を用いて当日の施工範囲をむらなく塗布する。

(ウ) 屋内保護密着工法の場合、左官ばけを用いて擦り込むように当日の施工範囲にむらなく塗布する。

(3) 接着剤の塗布 (接着工法及び屋内保護密着工法) は、次による。

(ア) 接着工法で下地に塗布する場合は、プライマーの乾燥後、ローラーばけ、くしベら等を用いてむらなく行う。

(イ) 接着工法でルーフィングシート又は断熱材に塗布する場合は、ローラーばけ、くしべら等を用いる。

(ウ) 屋内保護密着工法の場合は、プライマーの乾燥後、金ゴテ等を用いて下地にむらなく塗布する。

(4) 接着工法の場合、目地処理は次による。

(ア) 既存防水層を撤去したALCパネル下地の場合は、ルーフィングシート張付けに先立ち、パネル短辺の接合部の目地部に幅 50mm程度の絶縁用テープを張り付ける。

(イ) プレキャストコンクリート下地の場合は、特記による。

(5) 増張り及び成形役物は、次による。

(ア) 立上り部の出入隅角の補強は、次による。

(a) 種別S-F1、SI-F1、S-M1 又はSI-M1 の場合は、ルーフィングシート張付けに先立ち、200mm角程度の増張り用シートを張り付ける。

(b) 種別S-F2、SI-F2、S-M2、SI-M2 又はS-M3の場合は、ルーフィングシート施工後に、成形役物を張り付ける。

(c) 種別S-C1の場合は、ルーフィングシート張付けに先立ち、成形役物又は 200mm角程度の増張り用シートを張り付ける。

(イ) 種別S-F1 又はSI-F1の場合のプレキャストコンクリート下地の入隅部の増張りは、特記による。

(ウ) 種別S-F1、SI-F1、S-M1 又はSI-M1の場合、ルーフドレン、配管等と周囲の防水下地材との取合いは、ルーフィングシートの張付けに先立ち、次の処理を行う。

(a) ルーフドレン回りは、幅 150mm程度の増張り用シートをドレンと下地面に割り振り、ルーフドレンのつばには増張り用シートを100mm 程度張り掛け、張り付ける。

(b) 配管回りは、幅100mm程度の増張り用シートを下地面に20mm程度張り掛け、張り付ける。

(エ) 屋内保護密着工法の場合、排水器具、配管等と周囲の防水下地材との取合いは、ルーフィングシートの張付けに先立ち、次の処理を行う。

(a) 排水器具回りは、幅 250mm程度の増張り用シートを排水器具のつばと下地面に割り振り、排水器具のつばに 100mm程度、その残りをスラブ面に張り掛け、張り付ける。

(b) 配管回りは、幅250㎜程度の増張り用シートを配管回りの下地面に張り付け後、幅80㎜程度の増張り用シートを下地面に30㎜程度張り掛け、張り付ける。

(6) 一般部のルーフィングシートの張付けは、次による。

(ア) 接着工法の場合は、塗布した接着剤のオープンタイムを確認して、ルーフィングシートに引張りを与えないよう、また、しわを生じないように張り付け、ローラー等で転圧して接着させる。

(イ) 機械的固定工法の場合は、次による。

(a) 建築基準法に基づく風圧力に対応した工法は、特記による。

(b) 絶縁用シートを敷き並べた後に、(a)に基づき、固定金具を用いてルーフィングシートを固定する。
ルーフドレン回りは、ルーフドレン周囲から300mm 程度の位置に固定金具を設けて、これにルーフィングシートを固定する。
ただし、種別SI-M1 は、原則として、絶縁用シートを敷設しない。

(ウ) 屋内保護密着工法の場合は、接着剤(ポリマーセメントペースト)の塗布後、直ちにルーフィングシートを張り付け、ローラー等で転圧して密着させる。

(エ) ルーフィングシートの重ね幅等は、次による。

(a) 種別S-F1、SI-F1、S-M1又はSI-M1 の場合は、次による。
ルーフィングシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも100mm以上とする。
ただし、立上りと平場の重ね幅並びにS-M1 又はSI-M1 において接合部内に固定金具を設ける場合の重ね幅は、150mm 以上とする。
ルーフィングシートが3枚重ねとなる部分は、内部の段差部分に不定形シール材を充填する。

(b) 種別S-F2、SI-F2 、S-M2 、SI-M2又はS-M3の場合は、次による。
ルーフィングシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも 40mm以上とする。
種別S-F2、SI-F2 、S-M2又はSI-M2の接合部は、熱風融着又は溶剤溶着により接合し、その端部を液状シール材でシールする。
また、種別S-M3 の接合部は、熱風融着により接合し、その端部を液状シール材でシールする。
ルーフィングシートが3枚重ねとなる部分は、熱風融着して重ね部の隙間をなくす。

(c) 種別S-C1の場合は、次による。
ルーフィングシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも100㎜以上とする。
ルーフィングシートが3枚重ねとなる部分等に、浮きが生じないように接着剤(ポリマーセメントペースト)を隙間なく充填する。

(7) 立上り部の防水末端部の処理は、次による。

(ア) 立上り部を接着工法で施工する場合は、その端部にテープ状シール材を張り付けた後にルーフィングシートを張り付け、末端部は押え金物で固定した上に、不定形シール材を充填する。

(イ) 立上り部を機械的固定工法で施工する場合は、その端部にテープ状シール材を張り付けた後に固定金具を固定し、種別S-M2 又はSI-M2の場合は、ルーフィングシートを固定金具に対して、溶剤溶着又は熱風融着により張り付け、種別S-M3 の場合は、固定金具に対して、熱風融着により張り付け、末端部には不定形シール材を充填する。

(ウ) 立上り部を屋内保護密着工法で施工する場合は、接着剤(ポリマーセメントペースト)塗布後、ローラー等で転圧し、ルーフィングシートを張り付け、はみ出したポリマーセメントペーストを端部に覆い被せる。
末端部には、押え金物は使用しない。

(8) 仕上塗料塗りは、ルーフィングシートを張り付けた後、ローラーばけ等を用いて、むらなく塗り付ける。

(9) 断熱材の張付け (断熱工法の場合) は、次による。

(ア) 接着工法の場合は、次による。
下地に断熱材を隙間なく張り付け、ローラー等で転圧して密着させた後、ルーフィングシートを張り付ける。

(イ) 機械的固定工法の場合は、次による。
下地に断熱材を隙間なく敷き詰め、固定金具で固定する。

(10) 保護層の施工(屋内保護密着工法の場合)は、次による。

(ア) 平場のモルタル塗りは、次による。

(a) 床塗りの場合は、6.15.6[工法](2)の(イ)及び(ウ)に準ずる。

(b) タイル張り下地等の下地モルタル塗りの場合は、6.15.6(3)(ア)に準ずる。

(イ) 立上り部の保護モルタル塗厚は、特記による。
特記がなければ、7㎜以下とする。

(11) (1)から(10)まで以外は、ルーフィングシートの製造所の仕様による。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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