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28節 土工事及び地業工事/8章 耐震改修工事/平成31年版 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)

8.28.1 一般事項

この節は、耐震改修に伴う土工事及び地業工事に適用する。

8.28.2 既存杭の撤去等

(1) 既存杭の一部を撤去する場合の撤去範囲及び撤去方法は、特記による。

(2) 撤去、改修等を行う既存杭を実測し、位置、寸法等を確認する。
なお、設計図書と異なる場合は、監督職員と協議する。

(3) 既存杭の杭頭部等を処理する場合は、特記による。

(4) 既存杭を補強する場合は、特記による。

(5) 既存杭の健全性を確認する試験を行う場合は、特記による。

8.28.3 土工事

(1) 災害及び公害の防止

(ア) 工事中は、異常沈下、法面の滑動等による災害が発生しないよう、災害防止措置を講ずる。

(イ) 工事現場内外における土砂の運搬によるこぼれ及び飛散、排水による泥土の流出等を防止し、必要に応じて、清掃及び水洗いを行う。

(ウ) 掘削機械等の使用に当たり、騒音、振動等の工事現場内外への危害の防止及び周辺環境の維持に努め、必要に応じて適切な措置を講ずる。

(2) 根切り等

(ア) 根切り

(a) 根切りは、周辺の状況、土質、地下水の状態等に適した工法とし、関係法令等に基づき、適切な法面又は山留めを設ける。

(b) 根切り場所に近接して、崩壊又は破損のおそれのある建築物、埋設物等がある場合は、損傷防止措置を講ずる。

(c) 給排水管、ガス管、ケーブル等の埋設が予想される場合は、調査を行う。
なお、給排水管等を掘り当てた場合は、損傷しないように注意し、必要に応じて応急処置を行い、監督職員及び関係者と協議する。

(d) 工事に支障となる障害物を発見した場合は、監督職員と協議する。
ただし、容易に取り除ける障害物は、この限りではない。

(e) 根切り底は、地盤をかく乱しないように掘削する。
地盤をかく乱した場合は、監督職員の承諾を受け、自然地盤と同等以上の強度となるように適切な措置を講ずる。

(f) 根切り底は、凍結等による支障がないようにする。

(g) 根切り底の状態、土質及び深さを確認し、監督職員の検査を受ける。
なお、根切り底の状態等が設計図書に定められた支持地盤と異なる場合は、監督職員と協議する。

(イ) 排水

(a) 工事に支障を及ぼす雨水、湧き水、たまり水等は、適切な排水溝、集水桝等を設け、ポンプ等により排水する。
ただし、予想外の出水等により施工上重大な支障を生じた場合は、直ちに監督職員と協議する。

(b) 排水により根切り底、法面、工事現場内、近隣等に有害な影響を与えないよう適切な措置を講ずる。

(c) 工事現場外へ放流の場合は、必要に応じて沈砂槽等を設け、関係法令等に基づき適切に放流する。

(ウ) 埋戻し及び盛土

(a) 埋戻しに先立ち、埋戻し部分にある型枠等を取り除く。
ただし、型枠等を存置する場合は、監督職員と協議する。

(b) 埋戻し及び盛土の材料並びに工法は、特記による。
特記がなければ、表8.28.1により、種別は特記による。
なお、埋戻し及び盛土は、300mm程度ごとに締め固める。
また、余盛りは、土質に応じて行う。

表 8.28.1 埋戻し及び盛土の種別

(c) 表 8.28.1のB種又はC種の場合は、良質土と認められない場合、監督職員と協議する。

(エ) 建設発生土の処理
建設発生土の処理は、特記による。
特記がなければ、工事現場外に搬出し、関係法令等に基づき、適切に処理する。

(3) 山留め

(ア) 山留めの設置

(a) 山留めは、労働安全衛生法、建築基準法、建設工事公衆災害防止対策要綱(建築工事編)その他関係法令等に基づき、安全に設置する。

(b) 山留めは、地盤の過大な変形や崩壊を防止できるものとし、地盤調査報告書、工事現場の土質状況等を総合的に判断し、適切な構造計算を行い、所定の耐力を有するものとする。

(イ) 山留めの管理
山留め設置期間中は、常に周辺地盤及び山留めの状態について、点検及び計測する。
異常を発見した場合は、直ちに適切な措置を講じ、監督職員に報告する。

(ウ) 山留めの撤去
山留めの撤去は、撤去しても安全であることを確認した後、慎重に行う。
また、地盤の変形を防止する適切な措置を講ずるための鋼矢板等の抜き跡の処理は、特記による。
特記がなければ、直ちに砂で充填する等の処理を行う。
なお、山留め壁等を存置する場合は、特記による。

8.28.4 地業工事

(1) 施工一般

(ア) 工事現場において発生する騒音、振動等による近隣に及ぼす影響を極力防止するとともに、排土、排水、油滴等が飛散しないように養生を行う。
また、排土、排水等は、関係法令等に基づき、適切に処理する。

(イ) 杭の施工に当たり、随時、杭心の位置を確認する。

(ウ) 設置された杭には、有害な衝撃、荷重等を与えない。

(エ) 地中埋設物等については、8.28.3(2)(ア)の(b)から(d)までによる。

(オ) 施工状況等については、随時、監督職員に報告する。

(カ) (3)において、次の(a)から(f)までのいずれかに該当する場合は、監督職員と協議する。

(a) 予定の深さまで到達することが困難な場合

(b) 予定の掘削深度になっても、支持層が確認できなかった場合

(c) 予定の支持層への所定の根入れ深さを確認できなかった場合

(d) 所定の寸法、形状及び位置を確保することが困難な場合

(e) 施工中に傾斜、変形、ひび割れ、異常沈下、掘削孔壁の崩落等の異状が生じた場合

(f) (a)から(e)まで以外に、杭が所定の性能を確保できないおそれがある場合

(キ) 地業工事における安全管理は、1.3.7[施工中の安全確保]による。

(2) 試験及び報告書

(ア) 試験一般

(a) 工事の適切な時期に、設計図書に定められた杭又は支持地盤の位置及び土質について、(イ)又は(ウ)に示す試験を行い、その結果に基づき、支持力又は支持地盤の確認を行う。

(b) 試験は、監督職員の立会いのもと行い、その後の施工について、監督職員と協議する。
ただし、あらかじめ監督職員の承諾を受けた場合は、この限りでない。

(イ) 試験杭は、次による。

(a) 試験杭の位置、本数及び寸法は、特記による。

(b) 試験杭の施工方法は、特記による。
ただし、特定埋込杭工法を用いる場合は、工法ごとに定められた条件による。

(c) 試験杭は、本杭に先立ち施工し、試験杭の結果により、本杭の施工における管理基準等を定める。

(d) 試験杭の施工設備は、本杭に用いるものを使用する。

(ウ) 載荷試験

(a) 杭の載荷試験

① 杭の載荷試験は、鉛直載荷試験又は水平載荷試験とし、適用及び載荷試験の方法は、特記による。

② 試験杭の位置、本数及び載荷荷重は、特記による。

③ 報告書の記載事項等は、特記による。

(b) 地盤の載荷試験

① 地盤の載荷試験は、平板載荷試験とし、適用及び載荷試験の方法は、特記による。

② 試験位置及び載荷荷重は、特記による。

③ 載荷板を設置する地盤は、掘削、載荷装置等で乱さないようにする。

④ 報告書の記載事項等は、特記による。

(エ) 報告書等

(a) 報告書の記載内容は、次により、施工完了後、監督職員に提出する。

① 工事概要

② 杭材料、施工機械及び工法

③ 実施工程表

④ 工事写真

⑤ 試験杭の施工記録及び地業工事に伴う試験結果の記録

(3)及び(4)における施工記録

⑦ 「基礎ぐい工事の適正な施工を確保するために講ずべき措置(平成28年3月4 日 国土交通省告示第468号)」に規定する施工の適正性を確認する施工記録を保存する期間

(b) 試験杭において採取した土砂は、土質資料として整理し、(a)の報告書とともに、監督職員に提出する。

(3) 杭地業
杭地業の工法等は、次による。

(a) 杭地業の工法は、特記による。

(b) 杭地業における施工管理技術者

① 杭地業においては、施工管理技術者を配置する。

② ①以外は、1.3.2[施工管理技術者]による。

(c) 専門工事業者が工事の規模に相応した施工機械、施工体制、施工実績等を有していることを証明する資料を、監督職員に提出する。

(d) 支持層の位置、土質、杭の根入れ長さ及び水平方向の位置ずれの精度は、特記による。

(e) 杭の寸法等は、特記による。

(f) 杭の継手を溶接とする場合は、溶接方法に応じた技能資格者が行うものとし、溶接施工は、JIS A 7201(遠心力コンクリートくいの施工標準)及び日本溶接協会規格WES 7601(基 礎杭打設時における溶接作業標準)による。
なお、技能資格者の技量及び溶接部の確認は、特記による。

(g) 杭頭の処理が必要な場合は、特記による。

(h) 本杭の施工は、試験杭の結果に基づき行い、施工方法は、特記による。
ただし、特定埋込杭工法を用いる場合は、試験杭の結果及び特定埋込工法ごとに定められた条件による。

(i) 全ての杭について、施工状況等を管理し、又は、計測して記録する。
なお、記録する施工状況等は、工法に応じた特記による。

(4) 砂利、砂、捨コンクリート地業等

(ア) 砂利及び砂地業

(a) 砂利及び砂地業の範囲及び厚さは、特記による。
特記がなければ、厚さは60mmとする。

(b) 砂利を敷き均し、所定の厚さに締め固める。

(c) 締固めは、ランマー3回突き、振動コンパクター2回締め又は振動ローラー締め程度とし、緩み、ばらつき等がないように、十分締め固める。

(d) 厚さが300mmを超える場合は、300mmごとに締固めを行う。

(イ) 捨コンクリート地業

(a) 捨コンクリートの範囲及び厚さは、特記による。
特記がなければ、厚さは50mmとし、平たんに仕上げる。

(b) (a)以外は、11節による。

(ウ) 施工記録

(a) 厚さ及び締固めの状況を確認し、記録する。

(b) 仕上りレベルを記録する。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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