4.2.1 一般事項
この節は、外壁改修工事に使用する材料に適用する。
4.2.2 工法別使用材料
(1) 樹脂注入工法に使用するエポキシ樹脂は、JIS A 6024(建築補修用及び建築補強用エポキシ樹脂) に基づく低粘度形又は中粘度形とし、適用は特記による。
なお、仮止めシール材等は、エポキシ樹脂の製造所の指定する製品とし、既存及び新規塗膜に支障のないものとする。
(2) Uカットシール材充填工法用材料は、次により、種類は特記による。
なお、プライマーは、シール材の製造所の指定する製品とし、被着体に適したものとする。
(ア) シーリング材は、3.7.2[材料]により、種類は特記による。
特記がなければ、1成分形又は2成分形ポリウレタン系シーリング材とする。
(イ) 可とう性エポキシ樹脂は、JIS A 6024による。
(ウ) ポリマーセメントモルタルは、実績等の資料を監督職員に提出する。
(3) シール工法用材料は、次により、種類は特記による。
(ア) パテ状エポキシ樹脂は、JIS A 6024による。
(イ) 可とう性エポキシ樹脂は、(2)(イ)による。
(4) 充填工法用材料は、次により、種類は特記による。
なお、プライマー、防錆材は、充填材の製造所の指定する製品とし、被着体に適したものとする。
(ア) エポキシ樹脂モルタルは、JIS A 6024による。
(イ) ポリマーセメントモルタルは、(2)(ウ)による。
(5) アンカーピンニング注入工法用材料
(ア) エポキシ樹脂
(a) 注入用エポキシ樹脂は、JIS A 6024による。
(b) アンカーピン固定用エポキシ樹脂は、JIS A 6024 に基づき、種類は硬質形、粘性による区分は高粘度形とする。
(c) パテ状エポキシ樹脂は、JIS A 6024に基づく製品又はアンカーピン固定用エポキシ樹脂の製造所の指定する製品とする。
(イ) ポリマーセメントスラリーは、特記による。
なお、ポリマーセメントスラリーは、実績等の資料を監督職員に提出する。
(ウ) アンカーピンの材質等は、特記による。
特記がなければ、ステンレス鋼 (SUS304) とし、呼び径4mmの丸棒で全ネジ切り加工したものとする。
(6) 注入口付アンカーピンニング注入工法用材料
(ア) 注入用エポキシ樹脂は、(5)(ア)(a)による。
(イ) ポリマーセメントスラリーは、(5)(イ)による。
(ウ) 注入口付アンカーピンの材質等は、特記による。
特記がなければ、ステンレス鋼 (SUS304)とし、呼び径は外径6mm程度とする。
(7) モルタル塗替え工法用材料
(ア) モルタルは、現場調合材料又は既調合材料とし、適用は特記による。
(a) 現場調合材料
① セメントは、8.2.5[コンクリートの材料及び調合](1)による。
② 白色セメントは、JIS R 5210 (ポルトランドセメント) に準ずる。
③ 細骨材
砂は、良質で塩分、泥土、じんかい及び有機物を有害量含まないものとする。
粒度は、表4.2.1により、細粗粒が適切に混合したものとする。
(b) 既調合材料は、特記による。
(イ) 水は、水道水を使用する。
ただし、井水を使用する場合は、清浄で塩分、鉄分、硫黄分、有機物等を有害量含まないものとする。
(ウ) 混和材料は、次により、モルタル性能に著しい悪影響を与えないものとする。
(a) 保水剤は、メチルセルロース等の水溶性樹脂とし、実績等の資料を監督職員に提出する。
(b) ポリマーセメントモルタル、ポリマーセメントペースト用の混和剤は、JIS A 6203 (セメント混和用ポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂) に基づくセメント混和用ポリマーディスパージョンとする。
(c) 顔料は、耐アルカリ性の無機質で、直射日光等に対しても変色が少なく、金属を錆びさせないものとする。
(エ) 吸水調整材の品質は、表4.2.2による。
(オ)下地調整塗材はJIS A 6916 (建築用下地調整塗材) による。
(カ) 既製目地材の適用及び形状は、特記による。
(8) タイル張替え工法及びタイル部分張替え工法用材料
(ア) タイル張替え工法及びタイル部分張替え工法用接着剤は、次により、種類は特記による。
(a) ポリマーセメントモルタルは、(2)(ウ)による。
(b) 外装タイル接着剤張りの接着剤は、JIS A 5557 (外装タイル張り用有機系接着剤) に基づく一液反応硬化形変成シリコーン樹脂系とする。
ただし、目地詰めを行わない場合の耐候性及び耐汚染性は、次の①及び②に適合すること。
① 耐候性は、モルタル板の上に接着剤を1㎜厚で塗り付け、JIS A 1415 (高分子系建築材料の実験室光源による暴露試験方法) に基づくオープンフレームカーボンアークランプを用いる試験装置で試験を行い、100 時間経過時点、500 時間経過時点及び 1,000時間経過時点における初期と比較した色差がいずれも 6 未満で、かつ、表面のはく離、ふくれがないこと。
② 耐汚染性は、3箇月の暴露試験において、タイルに接着剤による汚染がないこと。
(イ) タイルの品質は、JIS A 5209 (セラミックタイル) に基づくほか、タイルの形状、寸法、耐凍害性の有無、耐滑り性、標準色・特注色の別等は、特記による。
なお、モザイクタイルは、タイルの製造所の標準品とする。
(ウ) 役物の適用は、特記による。
なお、窓まぐさ・窓台部分に使用する役物タイルの形状は水切りのよいものとする。
(エ) 小口タイル以上の大きさのタイルを、まぐさ又はひさし先端下部に用いる場合、形をL形とし、外装タイルセメントモルタル張りで湿式成形法のタイルの場合、引金物用の穴をあけたものとする。
(オ) タイルの試験張り、見本焼き等は、特記による。
(カ) 外装タイルセメントモルタル張りの引金物は、なましステンレス鋼線 (SUS304) の径0.6mm以上とし、働き長さ200mm 程度のものとする。
なお、乾式成形法によるタイルの場合は、(エ)の穴あけに代えて引金物をエポキシ樹脂により接着する。
(キ) 張付け用材料
(a) タイル張替え工法の張付けモルタルの材料は、(7)の(ア)及び(イ)による。
ただし、細骨材の大きさは、表4.2.3とする。
(b) 張付けモルタルの保水剤は、(7)(ウ)(a)による。
(c) 張付けモルタルのセメント混和用ポリマーディスパージョンは、(7)(ウ)(b)による。
(d) 既調合モルタルは、特記による。
(e) 吸水調整材は、表4.2.2による。
(9) 目地改修工法用材料
(ア) 既調合目地材の場合は、実績等の資料を監督職員に提出する。
(イ) シーリング材等は、3.7.2[材料]及び4.5.8(7)(イ)による。
(10) 塗り仕上げ用材料
(ア) 仕上塗材
(a) 仕上塗材は、JIS A 6909 (建築用仕上塗材) による。
なお、仕上塗材の製造所において指定された色、つや等に調合し、有効期間を経過したものは使用しない。
また、下塗材、主材及び上塗材は、同一製造所の製品とする
(b) 仕上塗材は、表4.2.4により、種類 (呼び名) 、仕上げの形状及び工法は特記による。
(c) 複層仕上塗材及び可とう形改修塗材の耐候性は、特記による。
特記がなければ、耐候形3種とする。
(d) 複層仕上塗材及び可とう形改修塗材の上塗材は、表4.2.5により、種類は特記による。
特記がなければ、水系アクリルのつやありとする。
(e) 増塗材は、主材基層塗りに用いる材料とする。
(f) 設計図書に定められた防火材料は、建築基準法に基づく防火材料の指定又は認定を受けたものとする。
(イ) 外壁用塗膜防水材
(a) 外壁用塗膜防水材は、JIS A 6021 (建築用塗膜防水材)に基づく外壁用アクリルゴム系とし、外壁用仕上塗料は、外壁用塗膜防水材の製造所において指定された色、つや等に調合し、有効期間を経過したものは使用しない。
なお、プライマー、下地挙動緩衝材、防水材、模様材及び外壁用仕上塗料は、同一製造所の製品とする。
(b) 外壁用塗膜防水材の仕上げの形状及び工法は、表4.2.6により、適用は特記による。
(c) 増塗材は、防水材塗りに用いる材料とする。
(d) 外壁用仕上塗料の耐候性は、特記による。
特記がなければ、JIS A 6909 の耐候形 1 種の品質基準に適合するものとする。
(ウ) 下地調整塗材は、JIS A 6916 (建築用下地調整塗材) による。
(エ) 水は(7)(イ)による。
(オ) ポリマーセメントモルタルは、(2)(ウ)による。
(カ) 塗膜はく離剤は、実績等の資料を監督職員に提出する。
(キ) (ア)から(カ)まで以外の材料は、仕上塗材及び外壁用塗膜防水材の製造所の指定する製品とする。
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