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12節 あと施工アンカー工事/8章 耐震改修工事/平成31年版 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)

8.12.1 一般事項

(1) 適用範囲
この節は、鉄筋コンクリート造骨組及び鉄骨鉄筋コンクリート造骨組に、耐震壁、袖壁、鉄骨系補強部材等を設置する場合の、接合面に設けるあと施工アンカー工事に適用する。

(2) 穿孔機械
穿孔に使用する機械は、アンカーの種類、径及び長さ、施工条件等を考慮し、適切な機械を選定する。

8.12.2 あと施工アンカー工事における施工管理技術者

(1) あと施工アンカー工事においては、施工管理技術者を配置する。

(2) (1)以外は、1.3.2[施工管理技術者]による。

8.12.3 あと施工アンカー工事の作業を行う技能資格者

(1) あと施工アンカー工事の作業は、技能資格者が行う。

(2) (1)以外は、1.6.3[技能資格者]による。

8.12.4 穿孔

(1) 穿孔は、既存骨組に有害な影響を与えないように行う。

(2) 埋込み配管等の探査は、穿孔範囲の全てとし、方法は、特記による。

(3) 埋込み配管等に当たった場合は、直ちに穿孔を中止し、監督職員に報告し、指示を受ける。

(4) 鉄筋等に当たった場合は、穿孔を中止し、付近の位置に再穿孔を行う。
穿孔を中止した孔は、モルタルを充填する。

(5) 穿孔された孔内に水分があることが確認された場合は、監督職員に報告し、指示を受ける。

(6) 穿孔された孔は、所定の深さがあることを確認する。

(7) 穿孔後、切粉が残らないようブロア、ブラシ等で孔内を清掃する。

8.12.5 固着作業

(1) 金属系アンカーの固着

(ア) 作業に用いるハンマー、打込み棒、締付け用具等の固着工具は、アンカーに対して適切なものとする。

(イ) 打込み方式のアンカーは、所定の位置まで打込む。

(ウ) 締付け方式のアンカーは、所定の締付けトルク値まで締め付ける。

(エ) 作業後、目視及び打音試験により全数固着状況を確認する。

(2) 接着系アンカーの固着

(ア) 作業に用いる埋込み機械は、アンカーに対して適切なものとする。

(イ) 取付けボルト又はアンカー筋には、埋込み長さを示すマーキングを施す。

(ウ) 接着剤が使用有効期限内であること及び主剤が固まっていないことを確認する。

(エ) 取付けボルト又はアンカー筋に回転・打撃を与えながら、マーキング位置まで埋め込む。

(オ) 上向き作業の場合は、接着剤の漏出防止及び取付けボルト又はアンカー筋の脱落防止の措置を行う。

(カ) 硬化養生後、目視及び打音試験により全数固着状況を確認する。

8.12.6 養生

接着系アンカーの場合は、所定の強度が発現するまで養生を行う。

8.12.7 施工確認試験

あと施工アンカーの施工後の確認試験は、特記による。
特記がなければ、引張試験機による引張試験とし、次による。

(ア) 1ロットは、特記による。
特記がなければ、1日に施工されたものの径及び仕様ごととする。

(イ) 試験の箇所数は、特記による。
特記がなければ、1ロットに対し3本とし、ロットから無作為に抜き取る。

(ウ) 試験方法は、確認強度まであと施工アンカーを引張るものとする。
また、判定基準は、確認強度を有する場合を合格とする。
なお、確認強度は、特記による。

(エ) ロットの合否判定は、ロットの全ての試験箇所が合格と判定された場合に、当該ロットを合格とする。

(オ) 不合格となったロットへの措置は、次による。

(a) 直ちに作業を中止し、不合格の発生原因を調査するとともに、必要な改善措置を定め、監督職員の承諾を受ける。

(b) 不合格ロットの残り全てのあと施工アンカーに対して試験を行う。
なお、試験方法及び判定基準は(ウ)による。

(c) 試験の結果、不合格となったあと施工アンカーは、監督職員と協議を行い、再施工する。

8.12.8 不合格となったあと施工アンカーの再施工

不合格となったあと施工アンカーは、その至近の位置に再施工する。
再施工を行った全てのあと施工アンカーに対して施工確認試験を行う。
なお、試験方法及び判定基準は 8.12.7(ウ)による。

このページは、国土交通省のWebサイトで公開されている 国土交通省大臣官房官庁営繕部 公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)平成31年版 をWebページ化したものです。

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